ECサイトで「売れている商品」を正しく分析する方法

EC運用

ユニークアクセスと購入件数のデータを活用して、売上の実態を把握する


はじめに

「アクセスが多い商品=売れている商品」と思っていませんか?

実は、アクセス数と購入数を組み合わせて見なければ、商品の本当の実力は見えてきません。本記事では、ユニークアクセス数と購入件数が確認できる環境を前提に、ECサイトの売れ筋商品を正確に分析するための方法を解説します。


1. まず押さえるべき2つの基本指標

分析の出発点となるのは、以下の2つです。

ユニークアクセス数(UU)

その商品ページを訪問した「人数」です。同一ユーザーが複数回訪問しても1カウントとなるため、実際に商品に興味を持った人数を示します。

購入件数

その商品が実際に購入された件数です。注文数とは異なり、「何人が買ったか」ではなく「何回購入されたか」を示す点に注意が必要です。


2. 最重要指標:転換率(CVR)を計算する

アクセスと購入を組み合わせることで、**転換率(CVR:Conversion Rate)**が算出できます。

転換率(%)= 購入件数 ÷ ユニークアクセス数 × 100

計算例

商品名UU購入件数CVR
商品A1,000505.0%
商品B2003015.0%
商品C5,000400.8%

この表を見ると、アクセス数だけでは商品Cが一番「注目されている」ように見えますが、CVRでは商品Bが圧倒的に優秀です。商品Cはアクセスを集めているのに購入につながっていない、何らかの課題がある可能性があります。


3. 商品を4つのタイプに分類する

UUとCVRを組み合わせると、商品を4つのタイプに分類できます。この分類が、施策の優先順位を決める上で非常に有効です。

              CVR 高い
                 │
    【伸びしろ型】 │ 【スター型】
    UU低・CVR高  │ UU高・CVR高
                 │
─────────────────┼─────────────── UU
                 │
    【要改善型】  │ 【集客課題型】
    UU低・CVR低  │ UU高・CVR低
                 │
              CVR 低い

各タイプの意味と打ち手

【スター型】UU高・CVR高 すでに売れている主力商品です。在庫の確保と、検索順位の維持に注力しましょう。

【伸びしろ型】UU低・CVR高 商品ページに来た人はよく買ってくれるが、そもそも知られていない商品です。広告や特集ページへの掲載でアクセスを増やせば、大きく伸びる可能性があります。

【集客課題型】UU高・CVR低 多くの人が訪問しているのに買われていない商品です。価格・画像・商品説明・レビューなどページ内の問題を疑いましょう。

【要改善型】UU低・CVR低 アクセスも購入も少ない商品です。継続掲載するかどうかも含めて、根本的な見直しが必要です。


4. 期間比較で「今勢いのある商品」を見つける

瞬間値だけでなく、期間を比較することで「伸びている商品」が見えてきます。

比較すべき期間の例

  • 今週 vs 先週
  • 今月 vs 先月
  • 今年同月 vs 昨年同月(季節性の把握)

見るべきポイント

変化のパターン考えられる要因
UU↑ CVR変わらず → 購入件数↑広告や外部流入の増加
UU変わらず CVR↑ → 購入件数↑ページ改善やレビュー増加の効果
UU↑ CVR↓ → 購入件数横ばい質の低い流入が増えている
UU↓ CVR↑ → 購入件数横ばいコアなファンだけが訪問している状態

5. 分析の手順:実践フロー

実際の分析は、以下の順番で進めると整理しやすいです。

ステップ1:データを抽出する 分析ツールやモール管理画面から、対象期間のUUと購入件数を商品単位で取得します。

ステップ2:CVRを計算してリスト化する Excelやスプレッドシートに貼り付け、CVRを計算した列を追加します。

ステップ3:4タイプに分類する 全商品をUUとCVRでマッピングし、タイプを分類します。平均値を基準にすると判断しやすいです。

ステップ4:課題商品にフォーカスする 「集客課題型」と「伸びしろ型」を優先的に改善します。スター型は現状維持を意識しながら磨き込みます。

ステップ5:改善後に効果測定する 施策実施から2〜4週間後に同じ分析を繰り返し、CVRやUUの変化を確認します。


6. よくある落とし穴

アクセスランキングだけを見る

先述のとおり、アクセスが多くてもCVRが低ければ売上に直結しません。必ずCVRとセットで見る習慣をつけましょう。

短すぎる期間で判断する

1日・2日のデータでは曜日や時間帯の影響を受けます。最低でも1〜2週間、できれば1ヶ月単位で分析するのが基本です。

セール期間中のデータを通常期と混在させる

セール中はCVRが跳ね上がります。通常期の分析には通常期のデータだけを使い、セール期間は分けて評価しましょう。

新着商品を過小評価する

出品直後はアクセスが少なく、CVRの分母が小さいため数値が不安定です。新着商品は一定のアクセス数(例:100UU以上)が貯まってから評価するのが適切です。


まとめ

ECサイトの売れ筋分析において、ユニークアクセスと購入件数の2軸は欠かせません。この2つから算出するCVRを中心に据え、商品を4タイプに分類して優先順位をつけることで、打ち手の精度が大きく上がります。

分析はあくまで「現状把握」のツールです。数字から仮説を立て、改善を実行し、また数字で検証するPDCAサイクルを回し続けることが、ECサイトの売上向上の本質です。


本記事は、モール・自社ECを問わず、ユニークアクセス数と購入件数が商品単位で確認できる環境を前提としています。

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